樋口和久さん 月岡地区 牛飼い
美雪和牛
栄村オリジナル、「美雪和牛」ブランドに取組んでいる樋口さん。2001年のBSE問題をきっかけに、豪雪の栄村で丁寧に育てた肉牛をきちんと広めたいという思いで始めた。美雪(みゆき)はその思いを当て字にしたブランド商標だ。
近くの町に出ていた息子さんが村に戻り、いまは一緒に牛の世話をしている。
約280頭の黒毛和牛を奥さん、息子さんと3人の家族経営で大切に育てている。
毎月、岩手県へ
牛飼いという仕事は毎日世話をしないといけないので休みがなく、病気になって駄目になってしまうこともあるので体調管理が大変だ。
そして、毎月岩手県に子牛を買いにいく。
目利きした牛は、樋口さん自家製の飼料を食み豊富な山の湧き水で育てられ、日本に1つしかない味となる。霜降りのわりにしつこくなくあっさりとした味を大事にする。
もうひとつの家族
長野県北部地震の際には牛舎が潰れてしまったが牛は無事だった。別の牛舎を建て直し今も牛飼いを続けている。いま、栄村で専業の牛飼いは樋口さん一家だけである。
そして、牛舎には牛以外にもうひとつの大家族がいる。
牛と猫と厳しくも豊かな栄村の自然に囲まれて、今日も樋口さんは美しい雪の結晶のように花咲く北信州・美雪和牛を大事に育てている。